基本的な考え方・方針など
当社は総合不動産デベロッパーとして、建物ライフサイクルを通じた廃棄物排出量削減やリサイクル率の向上、汚染防止などは当社の社会的責務であると認識しています。この認識のもと、当社では、廃棄物排出量削減などの目標を掲げて活動を推進する他、関係法令・条例の遵守などを通じて汚染防止・低減を図っています。
また、資源循環型社会の実現には、サプライチェーン全体での協働も必要不可欠となります。現状では関西電力グループ調達基本方針にのっとり環境負荷の少ない資機材の調達を推進し、脱炭素社会および循環型社会の構築への貢献を目指しています。今後はさらなる低炭素素材の採用を調達先と検討するなどサプライチェーン全体でのゼロカーボンに向けた取組みを推進していきます。
目標と実績
当社では、ESG取組み17項目(2025年度)において抽出した「資源循環への取組みの推進」に関する目標として、以下を掲げています。
- 廃棄物排出量(原単位)を前年度比低減
- 廃棄物リサイクル率を向上
- 木材の活用
- リデュース・リサイクル・リユースの推進
廃棄物の削減
当社では、1つのマンション販売センターで複数の物件を取り扱うことにより建材や設備機器などを削減する取組みや、社内での会議資料やりん議資料などのペーパーレス化やプラスチックごみの分別の徹底などにより、廃棄物削減に努めています。これらの取組みを進めたものの、廃棄物排出量把握の対象物件であるオフィスビルにおいて入退去工事による廃棄物が増加した結果、廃棄物排出量(原単位)は前年度比3.5%増となりました。また、テナント入居時の内装変更により廃棄されることも多いタイルカーペットを敷設せずスケルトン仕様で賃貸するなどの取組みも推進しています。
- ※省エネ法対象のオフィスビルのうち条例などに基づき廃棄物の減量などに関する計画書を提出している物件および自社利用事務所を対象としています。
ペーパーレスの徹底
当社ではペーパーレス化を積極的に推進しており、これまでには、すべての会議室と執務机へのモニターの設置や、資材発注業務やりん議手続きなどの電子システム化に取り組みました。これらの取組みに加え、在宅勤務やフリーアドレスの導入により働く場所が多様化したことで、ペーパーレスの有益性を従業員が認識した結果、社内の紙使用量は2018年度500万枚から2024年度は235万枚と、大幅に削減しています。
販売センターにおける「mymizu」給水スポットの登録
「mymizu」とは、プラスチックペットボトル消費を減らすため、マイボトルの携行を呼びかけ、公共施設など無料で給水できる場所を紹介するアプリを提供することで、給水を通じサステナブルが「あたりまえ」の世界を実現するためのプラットフォームやコミュニティづくりを進めるという、一般社団法人Social Innovation Japanの取組みです。当社はこの取組みに賛同し、首都圏エリアのマンション販売センターの一部を「mymizu」給水スポットに登録しています。
オプテージビル「令和6年度 ごみ減量優良建築物大阪市環境局長表彰」の受賞
オプテージビルでは、テナントと協働でごみの分別の徹底などに取り組んだ結果、廃棄物の減量推進及び適正処理並びに生活環境の清潔保持に顕著な功績を上げている特定建築物として「令和6年度 ごみ減量優良建築物大阪市環境局長表彰」を受けました。
木材の活用
当社は、国産木材・認証木材を積極的に活用しています。
分譲戸建て住宅「シエリアガーデン」では、使用する構造木材はクリーンウッド法※1登録事業者または合法木材供給認定事業者※2から調達しており、サプライチェーンにおける協働も進めています。また、オフィスビルや分譲マンション「シエリア」では共用部内装などで木材を使用する場合には国産木材・認証木材の使用を積極的に推進しています。
- ※1クリーンウッド法:日本または原産国の法令に適合して伐採された樹木を材料とする木材などの流通および利用を促進することを目的として、対象となる木材や木材関連事業者の登録制度などを定める法
- ※2合法木材供給認定事業者:木材・木材製品の合法性、持続可能性を自ら証明するために、林野庁のガイドラインに基づき業界団体の認定を受けた事業者
分譲住宅事業における取組み
シエリア植田(愛知県名古屋市)では、エントランスラウンジの内装材に「あいち認証材(愛知県産木材)」を使用しており、中庭の緑の移ろいを感じながらよりくつろげる空間を創出しています。
賃貸事業における取組み
関電不動産茅場町ビル(東京都中央区)では、一部外装などに多摩産木材を使用しており、木の温かみと柔らかさをお客さまに感じていただくことも企図しています。
リサイクル率の向上
当社では、焼却や埋め立てられる廃棄物を削減すべく、自社利用事務所でのごみの分別強化やテナントと協働した取組みの推進などにより、リサイクル率の向上に努めています。
これらの取組みを進めたものの、入退去工事によるリサイクルできないごみの増加などにより、2024年度のリサイクル量は1,196トン、リサイクル率は61%(前年度比▲0.9pt)になりました。
また、開発物件に使用するタイルカーペットなどには、リサイクル製品を積極的に採用しています。
- ※省エネ法対象のオフィスビルのうち条例などに基づき廃棄物の減量などに関する計画書を提出している物件および自社利用事務所を対象としています。
オフィスビル・販売センターにおけるリユースの取組み
オフィスビルにおけるテナント入退去時には、廃棄物が多く排出されることが一般的です。当社では、テナントの入退去時に不要となったパソコンや什器などを買取りの上、再生販売する関西電力グループ企業のサービスを紹介し、リユースにつなげる取組みを試験的に開始しました。
また、販売センターを閉鎖する際には、キッチン・ユニットバスなど設備機器のリユース業者への売却や、家具・装飾品の他の販売センターでの再利用など、リユースへの取組みを行っています。
アップサイクルの取組み
物件開発時の廃棄物を削減するため、敷地内既存樹木や解体廃材などのアップサイクルを推進しています。
シエリア宝塚:敷地内既存樹木や解体廃材などのアップサイクル
シエリア宝塚(兵庫県宝塚市)では、マンション敷地内に生育していたモミの木をラウンジのテーブルセットやベンチとして、また外構に使用されていた御影石を土留壁として再生利用しています。このようにアップサイクルに取組むことで物件開発時の廃棄物を削減することに加え、土地の歴史を次世代に承継することも企図しています。
建物の長寿命化・高耐久化
当社は建物の長寿命化・高耐久化を進めることで新築に係る資材や解体に係る廃棄物などの削減に取り組んでいます。
汚染の防止
当社は、大気汚染や土壌汚染、水質汚濁、その他の有害化学物質など、関連法令・条例の遵守などを通じて汚染の防止・低減を図っています。法令・条例の遵守に加え、例えば、分譲マンション「シエリア」の標準仕様として、内装材や接着剤、住設機器類、造付家具などのすべての材料は、ホルムアルデヒド発散量が極めて少ない材料を使用する他、内装工事完了後の化学物質の室内濃度測定を実施しています。
